音也とトキヤの漫画
- 2024/11/24 [PR]
- 2012/01/25 音マトとトキヤのおはなし(ツイッターのあれ)
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音マトとトキヤのおはなし(ツイッターのあれ)
音マトはまるで赤ん坊のように紅潮した頬から、
湯気が出ているのではないかと心配になった。
「トキヤ…なんで、おまえってそう、いっつもクールでいられるの?・・・俺。こんなに」
トキヤの顔はいつも通り滑らかで真っ白だ。
トキヤは遮る様に言った「あなたを摘む事に夢中で赤くなる余裕がないんです」
「ぁっ・・・」
音マトが小さく身じろぐ。
トキヤの軍手ごしの細い指に力が入るのを感じた。
顔色こそ変わらないものの、トキヤの瞳はこちらを溶かしてしまいそうなほど熱っぽく揺らめいている。
とたんに音マトは真っ赤なビー玉のように赤く赤く熟れていく。
ああ、どうしよう俺…今すげー熟れてるかも…―
「どうしたんですか、音也…こんなに熟らして。」
トキヤは自分の手に目配せをし、また音マトもその視線を追う。
追ってしまう。なんてなまめかしい男なのだ。
途端音マトの尻をトキヤの細い指が強く握った。
「や、あぁっ…!」ぐじゅりと音をたててトキヤの指はズブズブと音マトに埋まっていく。
埋まった指を伝って、果汁が垂れていく。
1滴2滴と土にシミを作る。音マトは羞恥でその光景を見ていられなかった。
そうやって目をそらす音マトをトキヤは見逃さない。
「音也、見てください。こんなにおいしそうな果汁がしたたっていますよ」
見せつける用に果汁滴る己が指をトキヤは舐め、ねぶった。
トキヤのトマトよりも真っ赤な下が真っ白な指、
いや軍手を舐めねぶっている様を間近で直視し、目が離せない、もう耐えきれなかった。
ああ、種が出てしまいそうだ。
音マトは真っ赤な唇をフルフルと振るわせ潤んだ瞳をトキヤに向けた
「お願い、トキヤが食べて…、トキヤじゃなきゃイヤなんだ…」
聞くと、トキヤは意地悪な顔をするか、毅然と拒否をすると思った。
だがどうだ、トキヤはカエルの様に目を見開いている。
その表情はまるで女子に告白された童貞高校生のそれだ。
途端に耳までトマトの様に顔を真っ赤にするトキヤを見て音まともまた「可愛い」だなんて感想を抱く。
まるで湯気が出そうだ。
「ね、トキヤ…お願い」
少し余裕の出来た音マトが熱っぽく少し下品にトキヤに甘えた声を出す。
怒られちゃうかな、そんな事はどうでもいい。今の状況を早くどうにかしたい。
トキヤは堪らないという表情で音マトにむしゃぶりついた。
頬、額。鼻筋、唇。薄皮一枚の肌を楽しむようにしかし荒々しく味わう。
「ぁっトキヤぁっそんなに強く、したらぁっふぅ、んっ」
薄皮一枚の向こう果肉が腫れていく。トキヤの熱い舌がなぞる度、
今までに味わった事のない、背を打つ様な快感が音マトを襲った。
「ん、ふぅっ…はぁっ」トキヤは音マトの肌に夢中でこちらが見えていない様だ。
早く、決定的な刺激が欲しいのに…!
「かんで、トキヤ。お願い。思いっきりここに歯たてて・・・っ!」
おねだりをしすぎかな、我が儘なトマトだと思われてしまうだろうか。
内心怯えながらも思考が麻痺しはじめた音マトが強請る。トキヤのギラついた瞳と目があった。
ぁっ―食われる。
思った瞬間トキヤは真っ白な歯を思い切り柔肌に立てた。
プチュッ
いやらしい水音が音マトの耳を犯す。
まりも羊羹の様にピンと張っていた肌がトキヤの歯に破られる。
「ん、ふぅっ…!」痛みは感じなかったただただ快楽が襲う。
どろりと種が肌を伝う不快感を感じた。
ぁあ、汚い…
それさえ味わう様にトキヤは舌をのばし唇でジュルジュルと啜り始めた。
「や、やめて…トキヤぁ、そんな汚いよぉっ…ん、ふぅっ」
音マトが涙声で懇願をしても、トキヤは一向にやめようとしない。
寧ろそれが起爆剤となった。
破けたそこから内部に舌を抉り込むと音マトが可愛らしく小さい声をあげる。
また赤い肌に歯を立てる、嬲る、啜るを繰り返していると
とうとう音マトは大きな瞳いっぱいに並をだ浮かべ、ぽろぽろと泣き始めてしまった。
「ときやぁ…もっと俺の事見てよぉっヒィン…」
鼻を真っ赤にしてすすり泣く彼にハっとする。
そうだ私が今食べ尽くしてしまってら、彼は消えてしまうのだ…。
なんという事だろう、最初にして最後の愛の営みと気づいてしまった。
目と口がかろうじて残っている状態で、トキヤは彼を犯すのをやっとやめた。
「すいません、貴方が美味しいものだから…」
すると音マトは少し笑って「『俺』ごと味わってくれた…?」
快楽に流されるままに彼をこんな状態にするまで削り食べ続けた自分を恥じた。
なんと利己的なのだろう。浅はかなのだろう
彼はこの瞬間を大切にしたいだろうに。
私はそれさえも自らの快楽で奪いあげようとしていたのだ。
網膜に焼き付けるかのようにトキヤの顔をしばし眺め、喋るのをやめた。
トキヤも言葉が出ない。その静寂を破ったのは音マトだ。
「ね、トキヤお願いがあるんだけど、良いかな…」
彼の三つ目のお願いだった。
トキヤは今日も野菜の世話に追われる。
野菜達は銘々に喋り、まるで大合唱だ。
「あまり喋ると身がボケますよ」と一声上げると、野菜達はたちまち静かになる。
さながらトキヤは指揮者といった所だ。
今日はナスが収穫出来そうだ。トキヤは畑を見渡す。
真っ赤な彼はどこにもいないが、寂しくはない。
トキヤの過ごす母屋の、真っ赤なオルゴールの中には、
彼の残した種があるのだから― 来年真っ赤な彼に会える。
きっと「また」私を忘れて、1から私に恋をしていくのだろう。
毎年彼に会うのが楽しみで堪らない。
幾度となくトキヤと音マトは逢瀬を重ねている。
知らないのは記憶を失った音マトだけだ。
でも、それを寂しいと感じた事は一度もない。
またあっけらかんと私に「初めまして」などと言うのかと思うと、
今度は彼をどのように世話しようか胸が躍る。
彼にはいつまでも新鮮でいてもらいたい。
トキヤは今日も彼を夢想しながらけたたましい野菜達の世話を続けていく。 《了》
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2012/01/25 (Wed) 音也とトキヤの漫画